36種の鼠色
この36色は全て鼠色系統の色です。
「四十八茶百鼠」という言葉があります。
和の色彩用語に出てくる言葉です。調べによると、江戸後期に出来た言葉とのこと。
48種の茶色と100種の鼠色???
本当はもっとあったとか、こんなにはなかったとか、諸説あるようですが、何れにしてもたくさんの種類の茶色とたくさんの種類のねずみ色を表現した言葉のようです。
江戸後期、町人や商人が裕福になり、着物にお金をかけて贅を競うようになったとか。
幕府はそれを良しとせず「奢侈禁止令-しゃしきんしれい」なる贅沢を禁止する法令を定めたそうです。
そして着物の色、柄、生地、値段に規制がかり、着られる着物の色は「茶」「鼠」「藍」のみとなったそうです。
いつの世も国は庶民の味方ではないのでしょうか・・・。
てやんでぇい!の江戸っ子は黙っていなかった。!!!
許可された色の範疇で微妙な染め分けをした新しい色を次々に登場させて、地味と言われがちな色調の中で「粋」で「個性」あるおしゃれを追求したそうな。そこで生まれたこの言葉「四十八茶百鼠-しじゅうはっちゃひゃくねず」
なんと粋な響き!
そして百鼠、という「鼠色」の種類の多さに興味をそそられました。
花や動物、鳥の名前が付いている色も色々ありますが、だんとつに「鼠」が付く色が多いのです。
「桜鼠」「梅鼠」「桔梗鼠」「港鼠」「利休鼠」「暁鼠」「遠州鼠」「銀鼠」「江戸鼠」「鴇鼠」「柳鼠」・・・、まだまだあります。
「鼠色」、グレーを他の色と合わせると、だいたいうまくまとめてくれます。
服選びの時でも、仕事の際に配色を考える時でも大変お世話になる色味です。
一方、墨っぽさを感じ「地味」で濁った色という印象も持っていました。
ですが、調べてみるととっても魅力的な色ではありませんか!
ねずみと色彩、なんだか絵心をくすぐられます。
「四十八茶百鼠」この言葉を知って以来、鼠と色彩をテーマに何か描けないかな・・・とずっと思っていました。
「100鼠」と呼ばれている色の中から一部の色を選んでインクの瓶に詰めて並べてみました。
これらは和の配色ですが、あえてそこはこだわらず洋のニュアンスも織り交ぜて描います。
web制作なので配色はRGBで表現されている為、本来の色と微妙に違った
色になっている可能性もありますが、あしからず。
「◯◯ねず」、と読むか「◯◯ねずみ」と読むのかはどこで決めているのかは今の私には謎です。
配色を調べた時に表記されているように書きました。
まずは第一弾。
次からは個々の色をお題目として、鼠と色の作品を想像、妄想全開で描いてみようと思います。タッチも決めずにその時の雰囲気で描いてみようと思います。
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