ロゼワインってどうやって造るの?
赤ワイン、白ワインの作り方を描いた次はロゼワインの醸造に注目してみました。赤白同様、ざっくりとの範囲ですが・・・。
ロゼワインの魅力は何と言ってもあの色合い。煌めきのピンク!!ピンクワインなんて呼ばれていることもあるようです。
「ピンク」と一言で言ってもほんのり淡い色合いのピンクから赤ワイン一歩手前の濃い色合いのピンク。オレンジがかったピンク、臙脂がかったピンク、さらには「玉ねぎの皮」とか「ヤマウズラの目」などそれはピンクと言えるのかね???という色合いまで様々です。
醸造の仕方によって様々なピンク色にワインを造り上げているようです。
まずもって、黒ぶどうからロゼは造られています。白ブドウでは果皮に赤い色素の元、アントシアニンが含まれていないので白ブドウではロゼワインは造れません。
ロゼワインの醸造方法は代表的な方法として2種類あります。4種類とも言われていますが主に2種類が主流です。
その代表的な方法が「セニエ法」そして「直接圧搾法」です。そして混醸法とブレンド法と言う特定の地域でのみ取り入れられているものがあります。
それぞれの作り方のポイント部分を描いてみました。
セニエ法:Saignee
収穫→選果→除梗・破砕→発酵槽に入れる ここまでは赤ワインと一緒、概ね赤ワインの作り方と同じです。
赤ワイン同様、果皮と果汁を一定期間漬け込む「醸し:マセレーション」をするのですが、この長さが赤ワインよりも短くなります。造りたいロゼワインの色味や味わいによって様々ですが、大体8時間~48時間と言われています。
ちなみにな赤ワインは主醗酵・醸しに1週間から2週間と言うのが一般的だとか。
醸している間に果汁に果皮の色の成分が溶け込みピンクになっていきます。
求めている色合いになったら、果汁と果皮を分けるために別の発酵槽に果汁を抜き取り、その果汁のみつづけて醗酵させてワインに仕上げてゆきます。
「抜き取る」と言うのは絞るわけではありません。絞らずに果汁のみ抜き取るのでついた色はあくまで醸しの段階で抽出された色合いとなります。
醸しの長さが長ければ色味は濃くなり短ければ淡い発色のロゼワインとなります。伴って色が濃いと味わいにも厚みが出てきますし、色が淡ければすっきりとした軽やかな味わいのロゼワインになります。
果汁を醗酵させてから先は白ワインと同じです。
セニエ法の「セニエ」とはもともと医療用語で治療の一環として行われていた「瀉血:血抜き」を意味する用語でした。赤く色付いた果汁を抜き取る行為を血液を抜く行為になぞらえてセニエと言う用語が使われるようになったそうです。
さらにさらにこのセニエ法、もともと濃い赤ワインを作るために行われる工程でした。もともとの果汁と果皮から、果汁を少しだけ抜くと果皮の比率が多くなり濃いワインが出来る、と言うわけです。抜き取った果汁は副産物としてロゼやスパークリングとして作られるそうです。そう聞くと一見あまり良いイメージではありませんが、よく考えるとしっかりとした赤ワイン、つまりクオリティの高いワインを作るための高品質のブドウからつくられるロゼ、こう考えるといきなりイメージアップ!になりますね。
今ではセニエ法と聞けばロゼワインを造るための醸造法として定着しています。
もう1つの代表的なロゼの醸造法として
直接圧搾法:ダイレクトプレス
この方法は白ワインの作り方そのものです
収穫→選果→除梗・破砕→圧搾→醗酵・・・。まさに白ワイン、何が違うのかと言うと黒ブドウを使う点です。白ブドウだったら普通の白ワインができちゃいますからね。
除梗・破砕した黒ブドウを圧搾して果汁のみ発酵槽に入れて発酵させます。
圧搾は高い圧をかけずに優しくソフトに、でも時間をかけて絞ります。ソフトにするのはぎゅーっと絞ると果皮の成分が強く出すぎて色も濃く雑味のある味わいになるからだとか。果汁に程よい色味と程よい渋みを与えるには圧と時間がポイントなのですね。
時間をかけての圧搾だとしても、セニエ法に比べて果汁が果皮に触れている時間が圧倒的に短いのでダイレクトプレスのロゼはセニエ法より淡い発色となるそうです。
代表的な銘柄はフランスのプロヴァンス・ロゼなど。
こちらも醗酵から先は白ワインと一緒。
概ねロゼワインはこの2種の方法で作られます。
以下の2つはの方法は一部の地域で行われている醸造法です。
混醸法
主にドイツで伝統的にロゼワインを作るときに用いられる醸造法だとか。
この方法はほとんどセニエ法の工程と同じです。セニエ法は黒ブドウのみを使いますが、混醸法は「白ブドウと黒ブドウを混ぜて醸す」と言う方法です。黒ブドウと白ぶどうの比率の違いで色味、味わい共に様々ですが、やはり黒ぶどう100%で造るセニエ法よりかは淡い色調の軽やかなロゼワインになるとか。
ドイツのロートリングで用いられているためロートリング法とも言われているそうです。
最後にもう1つ
ブレンド法 です。
そもそも、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを造ることはEUでのワイン法では禁止されています。でも何故「ブレンド法」が取り上げられるのか・・・。
それは、例外的に一部の地域では赤ワインと白ワインを混ぜてロゼ色のワインを造ることがあるからです。
ブレンド:アッサンブラージュという工程でフランスのシャンパーニュの醸造のみに許されている方法と言われています。たたこのロゼはスパークリングワインになるわけです。ロゼワインではないのです。なんだ!それは・・・。ややこしいワイン区分ですね。
そして、シャンパーニュのみで許されている、と言う点は「はて???」なんですよね。イタリアやスペインの発泡酒、フランチャコルタやカヴァなどの銘柄のロゼスパークリングはブレンド法で造られているものがありますから・・・。シャンパーニュだけ?と言うのは訂正しないものなのか、と疑問を抱えている昨今です。
色々と調べていくうちに「ロゼワインの定義」というものは赤ワインや白ワインほどはっきりしていないようで、複雑なワインなのだということがわかりました。軽やかな味わいと色合いからはその複雑さを感じませんが、造り手のテクニックがロゼワインには顕著に現れているように思えました。偉大な造り手のロゼワインは赤ワインよりも手が出しやすい価格になっているはずです。(とはいえピンキリですが・・・)見つけたら懐事情にもよりますがゲットすべし!!
日本の家庭料理には辛口ロゼが一番合わせやすい気がするのですよね。私は・・・。
魚にもお肉にも野菜にも大体ロゼは寄り添ってくれます。中華やエスニックにも合わせやすいとか。ロゼワインは万能!!
先日デパ地下でお店の方に勧められ購入した微発泡の無濾過ロゼ。すごく美味しかった!!!澱が瓶底に溜まっているほどだったのですが、なんとその澱までも美味しかったのです!澱が美味しかったなんて初めてです。驚きのロゼでした。
そのお店の方は「ドライな辛口のピーチジュース」と表現していましたが、まさに!そんな味わいでしたよ。
たっぷりの新生姜と一緒に赤身のマグロのたたきと合わせましたが、とっても美味しかった!お醤油やポン酢にロゼは合うんだなぁ〜。あーまた飲みたくなってきた!!! ちなみにその感動ロゼ「Marchese col fondo の微発泡roze 」イタリアのロゼ、Gaviで有名な作り手が初めて造ったロゼワインだそうです。おすすめの1本ですよ。
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