毎年、年賀状のモチーフはその年の「干支」を描いて来ました。
どんな風に描いたものか・・・と毎年悩むことにはなりますが、特に深い意味を込めて描いたことはありません。
でも、今年の年賀状はちょっぴり、いえいえ、がっつり思いを込めての制作となりました。
ウーム、と悩んでいた時に、傍に置いてあったWWFからのDM冊子に目が止まりました。トラの写真の表紙です。何気に手にとって中を読んでみると、現在生息している野生のトラの現状を綴ったリーフレットでした。
トラは現在絶滅危惧種に認定されている動物です。
1900年代にはおよそ10万頭いたといわれていた野生のトラが、2010年の時点での推定個体数はわずかおよそ3200頭にまで減ってしまっているそうです。現在は保護活動などを通して少しづつ増えてきているとは言えまだ4000等には満たない頭数だとか・・・。
原因は森の減少、乱獲・密猟。
人間がトラの生息地にどんどん踏み込んで森を切り開きトラの住処を奪っていったり、その毛皮や牙を狙った乱獲や密猟が行われ、トラが生きて行けない世界になりつつあるのです。トラに限ったことではありません。世界のいろんなところでさまざまな野生動物が絶滅の危機に追いやられています。
悲しいことです。
すべて人間がやった事が原因。
その時よぎった言葉がありました。昨年末まで放映されていた「晴天をつけ」で渋沢栄一の母親、和久井映見さん演じるかっさまの言葉。
「あんたがうれしいだけじゃなくて、みんなが嬉しいのが一番なんだで」
人間は自分たちの発展や繁栄のために次々に自然を切り開き続け、ずっと前から住んでいた生き物達のことを考えていない!!「あんた(人間)がうれしいだけ」になっている。心が痛いです。
便利な世の中の恩恵を受けながら生活している私が言えたものではないのですが、人間も他の動物も嬉しいのが一番、そんな世界になってほしいなぁという思いが込み上げて来ました。
大きなトラ(自然)に身を委ね、手には本(文明)を広げた女性(人間)がトラと見つめ合う。トラも人間も優しい気持ちで。
「みんなが嬉しいのが一番なんだで」こんな思いで描きました。
そして、いーかげんコロナ君達にも退場願いたく、トラの一撃、しっぽでピシャリ!ヒェ〜となるコビット君も添えてみました。
近年、日本で、世界各地で、自然災害が増え続けています。
人間が人間のためだけに地球を勝手にいじり続けていたら、近い将来自然の一撃でぴしゃり!とされて人間がヒェ〜と地球から退場させられてしまう日が来てしまうかも!!
自分がうれしいだけじゃなくて、みんなが嬉しいのが一番なんだで
この言葉胸にしみる言葉です。
2022年はこんな気持ちで過ごして行きたいものです。
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